霊芝のふかぼり
霊芝の歴史
◆ □□ 神農本草経-しんのうほんぞうけい- □□◆
約2000年前の中国最古の薬物書に『神農本草経』があります。『神農』とは、4000~5000年前の古代中国の神様です。自身の体で草木の薬効を調べては、何度も毒にあたりましたが、薬草の力で甦ったといわれています。そうして発見された薬によって多くの人々が救われた為、神農は薬祖神として祀られるようになりました。
国立国会図書館
デジタルコンテンツより
神農本草経は、神農の伝説にあやかって書名がつけられたようです。
人の体に作用する薬効の強さによって、上薬・中薬・下薬に分けられており、上薬は、老化のスピードを遅らせたり、寿命を延ばすとされ、「延年益寿薬物(えんねんえきじゅやくぶつ)」とも呼ばれています。
「霊芝」は、「久しく食すれば、身を軽くして老いず、年を延ばして神仙となる」と記載され、「命を養う薬」「無毒なので長時間服が可能」という上薬に分類されています。
上薬には、霊芝を含む120種がありますが、それらは大自然のエネルギーを豊富に蓄えているため、バランスよく摂ることで、生命力が養えると珍重されてきました。
約2000年も前の薬物書に記載されている「霊芝」。歴史が「霊芝の力」を物語っています。
霊芝の成長
⇒ ⇒ 7月 ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ 8月 ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ 9月刈り取り
一番左は7月の霊芝の生育状況です。最初は傘が閉じた状態で育ち、成長するに従い、傘が開いていきます。
一番右は9月刈り取り時期の写真です。傘部分が粉っぽいのがわかりますか?
この粉が「胞子」です。
◆ □□ 胞子-ほうし- □□◆
霊芝は、胞子を発生させた時期に採取するのが最も良いといわれています。
なぜなら、胞子は、植物の「種子」と同じで「命」そのものであり、成長するための栄養素や成分が含まれているからです。
長年にわたり栽培されている霊芝ですが、霊芝栽培農家様は「まだまだ経験不足です」とおっしゃいます。
年に一回しか収穫出来ないので、一年一年が勝負とのこと。
霊芝には農家様の想いも込められています。
霊芝の力
霊芝は、神農本草経で上薬に分類されていて、長期的に毎日飲み続けることで、全身の状態を整えたり、体質の改善を図るものです。
漢方の考え方で、「五蔵」があります。五臓とは「肝・心・脾・肺・腎」という五つの機能系のことで、五臓は、相手を助けたりコントロールしたりしながら、お互いのバランスを保っています。つまり、そのうちひとつでもバランスを崩すと、他にも影響を与え、様々な症状を引き起こす原因になると考えられています。
霊芝は、「五臓」すべてに働きかけるとされ、いくつもの働きがあることから「百草」「仙草」という別名で呼ばれています。
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〈四気〉温性で体を温める性質。
〈五味〉甘・苦。
甘味には、補う・解毒する・滋養強壮などの働きがあり、
苦味には、気血の働きを活性化させる・上逆する気を戻すなどの働きがある。
〈効能〉滋養五臓:五臓(肝・心・脾・肺・腎)を養う。
養心安神:精神を安定させ、心身を健康にする。
補気益血:気血を補う。
止咳平喘:咳を止める。
消積の働きもある(停滞しているものを少なくする)。
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◆ □□ 霊芝の力 □□◆
漢方の考え方から…
解毒の働きがあるため、血を巡らせる理血の働きがあるものと一緒に用いると、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病に良いとされています。
消積の働きは、しこりやポリープを小さくすると考えられ、ガンの治療薬としても注目されています。
気血を補い働きを活性化させることから、免疫力を高めることも期待されています。
栄養成分から…
霊芝には、βグルカン(多糖類・食物繊維)・トリテルペン(苦味成分)が含まれています。
βグルカンは、腸内の免疫細胞に直接働きかける食物繊維の一種です。βグルカンは、免疫力を活性化して身体を守る能力を向上させる働きがあります。
トリテルペンは、抗酸化作用・抗炎症・抗腫瘍などの働きがあります。また、アレルギー疾患に効果をもたらすともされています。
βグルカン・トリテルペンそれぞれに、免疫力調整作用があるとされ、生活習慣病予防に期待されています。
今なお、様々な研究が行われており、確固たるエビデンスが待たれています。